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お肉をどう考える? 日本人に合うたんぱく質の摂り方を考える

23 時間前
読了時間: 5分

更新日:4 時間前

「肉は体に悪い」と聞くと、つい白黒で判断したくなりますが、食事は本来、もっと個別的です。


誰が、どれくらい、何と一緒に、どんな体調で食べるのか。これらの条件を抜きにして「お肉はNG」と決めると、自分に合う食事を見失ってしまうことがあります。



この記事は医療判断ではなく、食事を考えるための一般的な情報です。持病がある場合や治療中の場合は、医師や管理栄養士に相談してください。


野菜たっぷりのサラダに鶏ハム、ナッツを発酵させたチーズををトッピングした体験講座メニュー
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お肉はNG論はどこから強まったのか


肉食を避ける考え方が広がった背景には、プラントベースやホールフードの流れがあります。特に『チャイナ・スタディ』のように、動物性食品と健康リスクの関連を示す議論は大きな影響を与えました。


この考え方には、学ぶべき点があります。精製された加工食品を減らし、野菜、豆類、全粒穀物、果物を増やす。これは多くの人にとって有益です。加工肉や脂の多い肉を見直すことにも意味があります。


ただ、その情報が生まれた背景はアメリカです。欧米では、肉の量、加工肉の頻度、乳製品や油脂の摂り方が、日本の一般的な食生活とはかなりちがいます。


そこで得られた「肉をやめたら体調がよくなった」という実感を、そのまま日本人に当てはめると話がずれます。



日本人は、そんなにお肉を食べていない


欧米型のステーキ、ハンバーガー、ベーコン、ソーセージ、ピザなどの食生活から動物性食品を減らすと、脂質や総カロリーが下がり、その分、野菜や豆類が増え、痩せる、体調が良くなるなど大きな変化が起きやすいのは自然です。


日本でも戦後、食の欧米化が進み、味噌汁や漬物を中心にした日本古来の食事は、日常から減ってきました。


ただ、欧米化したとはいえ、肉の摂取量そのものは欧米とはちがいます。


日本人の1日あたりの肉類の摂取量は約164 g、アメリカはその2倍ほどの約334 gです。


同じ「肉を食べる」でも、日本と欧米では量の土台がまったく異なるのです。


つまり、日本人は欧米型に近づいても、肉の量という点では「欧米型の肉食」にはなっていません。


このちがいを無視して、アメリカ由来の食事法をそのまま輸入すると、肉を少しでも食べることまで悪いという印象になってしまいます。


実際には、適量の肉はたんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンB群などを摂る手段になります。




私自身も「お肉はNG派」でした


実は、私も以前は『チャイナ・スタディ』を根拠に、肉食は避けた方がいいと考えていました。


本書では、タンパク質を摂るほどがんのリスクが上がることが、コリン・キャンベル博士の研究データとともに示されていたからです。


ただその後、分子栄養学を学び、見方が変わりました。


前述のとおり、栄養学は人種差やバックグラウンドをも考慮する必要がある、ということに気がついたからです。



たんぱく質重視に変わってきた理由


最近の栄養学では、たんぱく質の重要性がよく語られます。理由はシンプルです。筋肉、皮膚、髪、酵素、ホルモン、免疫に関わる材料だからです。


一般的には、活動量や年齢、目的によって必要量は変わります。筋肉を維持したい人や運動をする人では、体重1kgあたり1.5g前後を目安に考えるケースもあります。体重50kgなら、1日75gほどです。


これを植物性食品だけで満たすことは可能でが、工夫が必要です。


  • 豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品をしっかり食べる

  • レンズ豆、ひよこ豆、大豆ミートなど多様な豆類を使う

  • 穀物だけに偏らず、豆類と組み合わせる

  • 1食ではなく1日全体で量を見る


植物性中心でも整えられますが、少食の人や忙しい人には難しいことがあります。


そこで、鶏肉、豚肉、牛肉、魚、卵を使うと、必要なたんぱく質を無理なく満たしやすくなります。



和食は、たんぱく質の選択肢がとても豊富です。
和食は、たんぱく質の選択肢がとても豊富です。


では、お肉を食べれば食べるほどよいのか


ここで反対側の視点も大切です。たんぱく質は必要ですが、多ければ多いほどよいわけではありません。


特に、がんとの関係については慎重に考える必要があります。動物性たんぱく質や高たんぱく食が、がんの発生や進行に関係する可能性を指摘する意見はあります。治療中の人にとって、食事が回復にどう影響するかも軽く扱えませんし、予防という視点も見逃せません。


ただし、「肉を食べるとがんになる」と単純化するのも危険です。食事全体、加工肉の量、野菜や食物繊維の不足、飲酒、喫煙、運動、体重、睡眠など、多くの要素が絡みます。


大事なのは、必要量を満たすことと、過剰にしないことです。肉を食べるなら、量、頻度、部位、調理法を見ます。加工肉は避け、魚、卵、大豆製品も含めて分散させるのが理想です。



自分に合う食事は断片情報では決められない


栄養情報は、切り取られると極端になります。


「肉は悪い」

「植物性だけが正解」

「たんぱく質は多いほど良い」

「糖質を減らせば健康になる」


どれも一部は正しくても、そのまま全員には当てはまりません。必要な食事は、年齢、体重、筋肉量、活動量、消化力、病歴、血液検査の結果、食の好みなどで変わります。


お肉は本当にNGなのかと聞かれたら、答えは「人によるが、少なくとも日本人にとって一律NGとは言えない」です。


植物性食品をベースに、必要に応じて肉、魚介類、卵を使う。過剰にならないように、体調と検査データを見ながら調整していきましょう。


食事は、体との対話です。誰かが唱える「これが正解」をそのまま取り入れるのではなく、自分の体の反応を確かめながら、無理なく続けられる形を探していくことが大切だと思います。


私自身は、プラントベースでホールフードを軸にしています。大豆や色とりどりの豆類をしっかり食べ、そこに動物性食品を程よく足す。「お肉をやめるか、食べるか」ではなく、「栄養バランス、頻度と量」で考えるようになりました。



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